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チェコ トジェボヴィツェ峠 Třebovice Pass - Czech Republic |
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北海に注ぐエルベ川の支流のヴルタヴァ川 (ドイツ語ではモルダウ川) が流れるプラハからウィーンへ向かうヨーロッパ特急は東に進み、パルドビツェの町を過ぎて1時間ほどでヨーロッパ大分水嶺を越えて、黒海へ注ぐドナウ川の支流地域に入ります。 この部分は日本列島と異なり、山や丘といっても大変標高の低い平原のような景色です。 これだけ大きい分水嶺なのですが、旅人も住んでいる人もここが分水嶺であることを意識していないし、目で見ても分水嶺だと気が付きません。
さて、その場所がトジェボヴィツェ (Třebovice) という町の東側になります。 数値地図で標高を確認しながら、分水嶺の線を引いていくと、この部分でどうも水がどう流れているのかが大変分かりにくくなります。 この部分がほとんど平で、ノヴィ池という人工の小さい貯水池から流れる水は人工の水路で導かれて、北海へ流れる川の支流の水源部に流れます。 この地点の東は、黒海へ注ぐ川の支流の水源部が接近しています。 この部分は、いわゆる片峠 (かたとうげ) のような地形ですが、日本列島とヨーロッパ大陸ではその地形の形成の過程が異なるので、河川争奪が行われたというわけではないようです。 この付近は地層が斜めに傾いて、その端の露出した部分が崖状になっているような地形です。 ちょうど紀州海岸や宮崎日南海岸の鬼の洗濯板のような感じです。
ではこの部分をレリーフ地図、グーグル地図、航空写真、それに風景写真で見ていきます。
全体レリーフマップです。 チェコの東部になります。 パルドビツェはかつてこの町の北方にあるオパトヴィツェ火力発電所の排煙脱硫装置の建設工事で駐在していた町です。 問題の場所はその東南東にある「ここに注目」と記した場所です。
この地図の赤い線で示した分水嶺を境に、左上が北海に注ぐエルベ川の流域です。 右下が黒海に注ぐドナウ川の流域です。
プラハ駅 (Praha hlavní nádraží) を 10:39 に出発したウィーン行きの特急列車 EC77 Antonín Dvořák は パルドビツェ 11:37、チェスカ・トジェボヴァ 12:17 に途中停車し、その直後の 12:20 にトジェボヴィチェ駅を通過します。 ウィーン新駅到着は 15:55。
この部分を拡大するとこのようになります。 この部分の真中の平らの土地の水がどちらへ流れるのかがよく分かりません。
さらに拡大します。 峠になっていることが断面図を見ると分かります。 典型的な片峠です。 左側の平らな土地の水は分水嶺の峠を越えては流れることができません。
上の地図の右側、黒海側 から登ってきたプラハ方面行きの特急列車が分水嶺を越えたところです。 右にカーブしてまもなくトジェボヴィツェ駅を通過します。 こんな平らなところが分水嶺だと思えませんよね。 しかし前方の見える道路付近の峠の向こう側は上の断面図に示すように、急な上り坂になってここまで上ってきます。
グーグルマップで、列車を撮影した地点を示します。
同じ地点のほぼ同じ範囲の航空写真です。 真中左よりに蛇行しているのが川の水源部分です。 ここに人工の貯水池、ノヴィ池が作られて、この川に導かれています。 この水はいずれエルベ川から北海へ流れ出ます。 一方右側が黒海へ注ぐ川の流域です。 川の痕跡はありますが、川の頭はこの付近で消えています。、白い三角は大きな池のようにも見えますが航空写真を拡大して見ると、車が出入りしたような形跡や、地面にタイヤの通ったような跡が見えます。 種まき前の畑でしょうか。
上の写真の真中の部分を拡大します。 鉄道の線路が切り通されて道路の下が小さなトンネルになっていることから、ここが峠で、このトンネルの上の道路が分水嶺に沿っているのだと思います。
この峠ポイントを上の写真の右上の方 (黒海側) から見るとこのようになっています。
ここにこんな標識を立てるとどうでしょうか。
ノヴィ池です。 女性が桟橋の上にたたずんでいます。
ノヴィ池を上から見るとこのようになっています。 この水がチェコ国内をめぐり、エルベ川となってドイツを北上し、北海に注ぎます。 女性が立つ桟橋は取水口の横にあります。 写真をクリックすると桟橋部分の拡大写真が見えます。
実際にここに旅行して見てきたような気分になります。 写真と航空写真はGoogle Earth から借用しました。 レリーフマップはカシミール3Dを使いました。 |